# 写真集
PORTFORIO > Ponte 25 de Abril、TRINITYに、書評と写真集の寄稿文を載せましたので、どうぞ。
自分の母親にも「あんたはあまり悩みがないわねー」言われるぐらい、まあ、悩んでもあまり意味がない、それぐらいだったら手を動かす、それでも上手くいかない時は、本を読んだり別の方法を考えたり、或いは時間が解決してくれる事もある。すぐに白黒つけない。自分は、いい感じでネガティブ・ケイパビリティが身についているんじゃないかと思ってる。
でも、たまにはしょんぼりと落ち込む時もある。そういう時に、この二つの、書評と寄稿文が自分の心の支えになっているので、ひとりでじっくり読んで、頑張ろうと元気になっている。自分の作品を客観的に言葉に表してくれている文章と向き合って、自分の作品の良いところを改めて感じたり。
坂川さんの書評は、当時、面識がないのに、こんなにも言葉にできる方がいるのかとすごく感激したことを覚えている。私の写真は、ステイトメントやコンセプト重視の作品ではないけど、言葉がなくても作品を見れて、その作品を的確な言葉であらわすことができる。今風に言うと、坂川さんは、言語思考と視覚思考の超ハイブリッドタイプだったのではと思っている。イメージの共有ができて、作家と共通の言葉も持っていて、いろんな人に伝える言葉、翻訳する技術もある。『違国日記』のように同じ日本語を話していても、違う国の言葉のように聞こえて、言葉が合わない事ってたくさんあるから。だから、坂川さんが亡くなってちょっと寂しい。
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内藤家の一番古いお墓には、「嘉永」の年号が刻まれている。その20年くらい前から住んでいたと考えると、だいたい写真のはじまりと同じくらいの歴史がある。そう思うとなんとも言えないくらい不思議だ。
江戸時代から農家のおうちなので、どう育つかわからない、場合によっては実らないかもしれない、そういうものたちに、手をかけて、立派になるように大きくしていく。ものづくりの遺伝子は代々受け継がれているのではないか。写真家として作品を作る道を選んでしまったけれど、もしかしたら結構向いているのかもしれない。最近、そんな風にようやく思うようになってきた。
商人の血は流れていないので、お金を稼ぐのは向いていないと思うが…。商いの運勢はどこで巡り会えますかね…。
写真家としての「運」がないかと言えば、まあ、ある。今年の始めくらいに、ペンシルベニア大学の図書館から納入依頼がきた時は、びっくりしたけど嬉しかった。少し前の作品だから、発表当時とは世の中の状況が違う。長く時代に耐えられるように、普遍的なテーマで作品を作っているとはいえ、時間と場所を超えて必要だと言われたようで、今更ながらに幸せを感じている。でも、どこで私の写真こと知ったんだろうねえ。
ある日、どこかの誰かが私の作品を知る。今まで、なかなか縁が無かった国と繋がる。撮影した事のない国からもお声がかかるのは不思議だ。理由はあるのかもしれないし、ないのかもしれない。そんな感じで、ものごとは進んでいく。
良かったら、ぜひお手元に一冊置いて貰えると幸せです。(実物を見たいという方は、東京都写真美術館の図書室に納入されていますので、展示を見るついでにどうぞ。)
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21歳くらいの、まだ何にも考えてないにも程があるぞ、と説教したくなるくらいに、ただただ惹かれたものに反応していたころの写真。でも、今とあまり好みが変わっていない…。まあ、この間、一貫しているっていう話をしたばかりだし。
もちろん、変わったところは、きっとあるだろう。でも、いろんな写真を見ていろんな影響を受けているはずなのに、変わらなかったところ、変わりようがなかったところ、こういうものの積み重ねが大切なんだろうな。
それで、リニア新幹線が中国山脈を突っ切って九州まで繋がると、もう少し頻繁に実家に帰れるんだけどねえ。2拠点生活をするほどマメなタイプではないんだけど、実家は守らないといけないし。広いアトリエもできるかもしれない。願望…!
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突然、ペンシルベニア大学図書館から写真集の所蔵依頼が舞い込んできて、私の写真集『TRINITY』と『Once in a Blue Moon』を納品いたしました。
『4月25日橋』は冬青社から同時期に取り寄せ中とのこと。
セルフパブリッシング で刊行した、『TRINITY』と『Once in a Blue Moon』までお声をかけていただけるなんて嬉しい限りです。サインを入れさせてもらって送りました。
海を越えて、アメリカの大学図書館に自分の写真集が所蔵されるなんて!
作品作りを続けていると、たまにこうして良いお話を突然いただく事があって本当に嬉しいです。励みになります。
そのうち、発注済みから閲覧可能になるでしょう。
1月は、日本はいろんな出来事が起こってしょんぼりしていましたが、この件で元気になってきました。
あと、しいたけ占いはなんだかんだ言ってよく当たる気がします。
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整理をしようかと思って箱の一つを開けたら写真集の見本が出てきて、コピー用紙に日付と時間が入っていて、当時の想い出がばーって蘇ってきた。
何年か経って見直すと実にエモくて良い。これからコピー用紙とかも全部日付けと時間入りでプリントしようと思った。
写真集の構成は、毎回自分で必ず見本を作ります。
もちろん、組み合わせのペアの写真を選んだり、床に並べて全体を見たりもしますが、それは写真集作りの始まりの出来事に過ぎない。
本で全体を見渡せるのは、見開きの2ページです。
前のページの過去と、現在開いている見開き、そして次は何が来るんだろうと未来への想像で、物語は進んで行きます。
写真家が責任を持って、自分でする仕事だと思っています。
In designで写真を組んで、コピー用紙にプリントして閉じて実際にめくって、違和感がある所の写真を差し替えて、またプリントしてを、繰り返して行きます。
一人で黙々と作業出来る楽しい時間です。こういう時はB型で良かったと思っています。
でも、たまに誰かが話を聞いてくれると嬉しい。フムフムと話を聞いてくれる聞き上手の、装幀家の坂川栄治さんは亡くなっちゃったけど。
『Once in a Blue Moon』は私が作った見本(B4)よりも、少しだけ縦横比を変えた方が引き締まるという坂川さんのアドバイスはさすがで、坂川さんにお願いして良かったと本当に思いました。私では微妙な縦横比まで気が回らなかったから、勉強になった出来事の一つです。
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自分の作品と向き合う時間を繰り返して、積み重ねて、
一冊の写真集は出来上がっていきます。
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オンラインストアを新しくしました。
今度は、写真集に加えてプリント作品も購入出来ます。コロナになる前から考えていた事がようやく形になりました。
プリント作品は、個展の時と同じく額の種類が選べます。
例えば、6月の軽井沢の緑を撮影した『Greenery in the darkness』シリーズは、選ぶ額によって、作品の持つ「静けさ /瑞々しさ / 始まりの時間の強さ」などそれぞれの良いところが更に引き立ってくるから不思議だなと思っています。
加えて、オーダーメイドによる額装や、その他ご質問がありましたら、ご購入希望の方は気軽にご連絡いただけますと嬉しいです。
https://sayurinaito.square.site
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今まで出版した3冊の写真集、
『Once n a Blue Moon』
『TRINITY』
『4月25日橋』
のネット通販をしています。サイン付き。
Once in a Blue Moonはカバーを外すと、背表紙に箔が入っているのが装幀のこだわりなんですよー。
(あまり気付かれないけど…